こんにちは、若手設計エンジニアのrickです。
今回は、品質管理検定の方針管理と品質経営について、イラストや図解を用いてやさしく解説します。経営トップも品質管理に大きく関与しなければならないことがわかると思います。
目次
参考書籍

本記事の内容は、ナツメ社発行の「 この一冊で合格!QC検定3級集中テキスト&問題集」を参考にしています。
「もっと詳しく知りたい」「模擬試験も含めて勉強したい」という方は、ぜひこの書籍をご活用ください。
試験本番を意識した問題集も用意されているので、試験対策に最適です。
方針管理と品質経営

この動画では、品質保証とプロセス管理について、
上記のキーワードの解説を行っていきます。
それでは本題に行きましょう!
方針管理とは

始めに方針管理についてです。
方針管理では、経営トップが企業の中長期の計画や目標を策定します。
中長期目標が各部門へと展開され、それぞれの部門で実施計画書として具体的な計画に落とし込まれます。
方針管理の手順

つぎに、方針管理の手順についてです。
方針管理はPDCAサイクルの形に各ステップを当てはめます。
始めに方針の策定を行い、各部門に展開します。
各部門は、上位の方針をそれぞれの課題や目標として落とし込み、実施計画書を作成します。
ステップ3では実際に活動を実施し、週次や月次などのタイミングで方針に対する達成状況確認を行います。
最後に、経営トップが実施計画書と実績を診断し、次期の方針に評価結果を反映します。
日常管理

次に日常管理についてです。
日常管理では主にSDCAサイクルのステップに基づいて実施していきます。
特に標準化を行い、現状を維持することに重きを置きます。
方針管理はPDCAサイクル、日常管理はSDCAサイクルで覚えておくといいでしょう。
日常管理の手順

次に日常管理の手順について説明します。
まず、各部門が果たさなければならない役割や業務を明確にします。
次に、各部門の目的を達成するために必要なプロセスを明確にし、標準化を行います。
また、標準化された業務の達成度を図るための管理項目や管理水準を設定します。
ステップ5では実際に業務を実施し、管理項目に対する評価を行います。
もし、管理水準に達していなければ、再発防止のために是正処置を行います。
管理項目の種類

つぎに管理項目の種類についてです。
管理項目は主に、維持のための管理項目と、改善のための管理項目があります。
また、プロセス途中であれば点検などの要因系の管理項目、
プロセス完了時点では結果系の管理項目で結果を管理します。
また、方針管理がしたいのか、日常管理で管理するのかによっても違いがあり、
方針管理では現状打破するための活動であり、日常管理は現状維持のための活動といえます。
標準化とは

次に、標準化について説明します。
製品の生産や提供には、多くの人が関わることになりますが、
同じように多くの作業や工程が発生します。
その際に必要な作業の手順やツール、判断基準などを定めておくことで、
活動が効率的になり、品質が向上します。
標準化は品質管理や品質保証において特に重要な活動と言えるでしょう。
標準化の目的

つぎに、標準化の目的についてです。
標準化の主な目的として、
目的適合性、両立生、互換性、多様性の制御、相互理解
健康安全の確保、貿易障害の除去が挙げられます。
社内標準化

次に、社内標準化についてです。社内標準化とは、企業の中での取り決めや社内標準を制定し、活用維持していく活動のことを指します。
原則として、
実行可能であること、文章・数値・図表で示すこと、関係者間で合意をとること、
他の標準と整合性があること、常に最新を維持することが必要です。
産業標準化

次に、産業標準化についてです。
産業標準化とは、産業分野ごとの取り決めを指します。
日本ではJIS(日本産業規格)として規定されており、主に3種類に分けられます。
具体的には、用語・単位などを規定している基本規格、試験や検査などを規定している方法規格、
製品品質や機能などをまとめた製品規格があります。
国際標準化

次に、国際標準化についてです。
ISO(国際標準化機構)が定める規格のことを国際規格と言い、すべての国や企業で統一される規格です。
国際規格を各国が導入することで、国際取引を円滑化し、様々な分野で国際協力を推進することができます。
品質保証の分野では特に、ISO 9000が品質マネジメントシステムに関する国際規格であり、国際的な製品品質の保証をするという点で、重要な意味を持ちます。
小集団活動(QCサークル)

つぎに、小集団活動(QCサークル)について説明します。
日常管理や方針管理では、さまざまな課題や問題に対し、組織的に改善活動をする必要があります。
そのために、部門ごとのチームや、部門間を跨いだチームを結成する、これらの小集団活動が重要になります。
QCサークルで集まったメンバーは、製品やサービス、業務などの多岐にわたり、課題設定を行い、品質改善の活動を行います。
また、QCサークルには、個人の能力向上や自己実現などの位置付けも担っています。
QCサークルにおける職場管理者の役割

次に、QCサークルにおける職場管理者の役割についてです。
QCサークル自体は、現場で働く従業員が自主的に行う活動ですが、活動を円滑に進めるためには、経営トップや職場の管理者の役割が重要になってきます。
管理者がQCサークルに対して全うすべき役割として、
・積極的に活動に対する支援や指導を行い、苦労をねぎらうこと
・QCサークルの活動成果を実務に活用できるよう取り計らうこと
・QCサークルと経営トップの橋渡しをおこなうこと。
以上が挙げられます。
品質教育

次に、企業が従業員に実践すべき品質教育についてです。
企業が品質管理を効果的に実施するために、従業員の多くが
・品質管理に対する見方、考え方ができていること、
・改善のプロセスや手法を理解していることが不可欠です。
そのために、企業は、品質に関する人材育成に注力する必要があります。
具体的な人材育成のステップとして、中長期計画を策定してPDCAサイクルをベースに活動を進めていきます。
品質マネジメントシステム

最後に品質マネジメントシステムについてです。
品質マネジメントシステムとは、ISO9000で規定されている品質管理や品質保証の基準になります。
その中では、品質に関して組織全体で管理していくための仕組みを品質マネジメントシステムとして定めており、目標設定から、目標達成のための要素やプロセスまでを明記しています。
品質マネジメントの原則として、
- 顧客重視
- リーダーシップ
- 人々の積極的参加
- プロセスアプローチ
- 改善
- 客観的事実に基づくアプローチ
- 関係性管理
が示されています。
終わりに

以上、「方針管理と品質経営」に関する重要なポイントについてお話ししました。
品質管理活動における標準化の重要性や、組織全体で品質管理に取り組んでいくメリットが伝わったかと思います。
本動画の内容でもっと詳しく知りたいという方や、ご指摘がある方はコメント欄に書き込んでいただけると幸いです。
また、この動画が役に立ったという人は高評価、チャンネル登録いただけると嬉しいです。
この動画がみなさんの試験合格の一助となることを願っています。
次回の記事でもまたお会いしましょう!